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詩誌『二兎』3号

二兎3号ができました。
特集は『遠野物語』です。10名が書いています。すこしずつご紹介できたらと思います。
まずトップバッターは徳弘さん。
ーまえがきよりー
『遠野物語』100周年(2010年)を迎えた頃から、何人かの有志で、少しずつ『遠野物語』や、その周辺の記録などを読んできました。今回はそんな集まりの中から、それぞれのテーマを選んで詩とエッセイをまとめました。
『遠野物語』は読むほどにその奥が広がり、分かれ道もあり、私たちの暮らしの根に響くものがひそんでいるのを感じます。当分遠野の旅から足を洗えそうもありません。河童、ざしきわらし、まよひがなどを巡るさまざまの物語のざわめきに耳をかたむけていると、心惹かれるケルトの妖精たちの声の木霊まで遠くから聞こえてくる気がします。


約束         徳弘康代
             
ねえ
さきにしんだほうが
のこったほうのしぬときに
むかえにくることにしませんか

それは一分後かもしれないし
七十年後かもしれないけれど
なまえをよべば
ここにくることにして

そのあとで いっしょに
行きたい所へ行きましょう
たとえば
月の裏側 とか
えいえんの五月の芝生の上 とか
ねごこちのいいベッド とか

たぶん わたしたちの
ここ は いつも ここ で

まだ なまえをよばれない
たましいたちが
あちらこちらで
たのしい再会を
おもいながら
さんぽしている
 
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